以下は、核問題のテーマ別世界社会フォーラムに関するメーリングリストへの参加の呼びかけ文(完成寸前)です。
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世界社会フォーラムの核問題に関するテーマ別フォーラム開催についての相談会への参加呼びかけ(修正版:2015/5/18)
核問題に関する世界社会フォーラムの日本開催を検討するため、国内の相談会を立ち上げます。参加を希望される方、関心をお持ちの方は、呼びかけ世話人までご連絡ください。
呼びかけ世話人連絡先:小倉利丸
ogr*nsknet.or.jp(*を@に変更して下さい)
携帯:070-5553-5495(ショートメッセージ可)
■この相談会立ち上げの経緯
2015年3月にチュニジアで開催された世界社会フォーラム(WSF)において、原発問題についての二つの集まりがもたれました。これらの集まりは、原発のないブラジル連合(Coalition for a Brazil Free of Nuclearplants)が提案し、被ばく労働ネットと福島原発事故緊急会議も協力して開催されたものです。この集まりでは、福島現地で反原発運動を闘ってきた木幡ますみさんから福島現地の状況についての報告もなされ、また、日本の反原発運動の現状についても日本からの参加者などから発言がありました。原発のないブラジル連合から、2016年に核問題についてのテーマ別社会フォーラムを開催したいとの提案がありました。フォーラムの開催地として日本での開催を強く希望する内容でした。
■世界社会フォーラムとは
世界社会フォーラムは、2001年1月にブラジルのポルトアレグレで第一回が開催されました。同じ頃に毎年スイスのダボスで開催される「世界経済フォーラム」に対する「南」の地域からの対抗フォーラムとして、毎回数万人が集まる世界最大の反グーバリゼーション運動のフォーラムです。新自由主義的なグローバリゼーションが席巻するなかで「もうひとつの世界は可能だ」というスローガンのもと、政治、経済、社会のあり方を企業の金儲けに従属させずに、人々の生存の権利を第一にする社会システムへの転換を求めて、社会運動の多様性を尊重する運動として展開してきました。
■世界社会フォーラムの核問題に関するテーマ別フォーラム開催の提案
WSFの会期中に、上記の公式の集まりの他に、テーマ別世界社会フォーラムの実現可能性について何度か打ちあわせの会合も開かれ、これらの議論をふまえて、閉幕後の4月上旬に、原発のないブラジル連合のシコ・ウィタケーさんが起草した文章をもとに、以下にあるように、ブラジルと日本の団体が連名で「友人の皆さんへ」という文章を作成し、今後テーマ別世界社会フォーラムの開催について議論をしてゆくことになりました。以下がその「呼びかけ文」です。
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友人の皆さんへ、
2015年4月7日(日本語仮訳作成)
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私たちは核兵器と核の民生利用に反対するブラジル、フランス、日本の市民です。私たちは、2014年10月以来、2016年に日本あるいは他のどこかの場所で、核についてのテーマ別社会フォーラムの実施を提案するための議論を開始し、いくつかの会議をもってきました。また、日本の福島の原発被害者で反原発運動の活動家でもある方からの証言を聞く機会ももちました。
私たちは、この中で、政府や政党、宗教団体や私企業からは独立した市民社会のイニシアチブとしての世界社会フォーラムのプロセスと連携して、核エネルギーについてのテーマ別フォーラムを実現するための可能性を追求すべく行動することを決めました。
このメッセージは、以下の皆さんに、この議論に参加しこの提案を拡げるために参加を要請するものです。
―原発が既に立地している国や、原発ロビーがプラントを売りこもうとしている国の皆さん―冷戦期やポスト冷戦期に核実験によって被害を被ってきた国の皆さん―核兵器やウランを使用した兵器を保有している国の皆さん―ウランが採掘されている国の皆さん―核廃棄物(外国からの受け入れを含む)問題を抱えている国の皆さん―核関連施設での被ばく労働(外国での出稼ぎ労働を含む)問題を抱えている国の皆さん
参加に関心をお持ちの方は、「核に関するテーマ別社会フォーラム実現に向けて」(Towards the Thematic Forum Social on Nuclear” (TowardsaTSP-N))のメーリングリストに参加されるよう要請します。
今後議論を経て、世界社会フォーラムの原則と方法に基づいて、フォーラムの実現に尽力する意思のある諸団体、フォーラムの実施場所を確定し、このフォーラムでどのようなことを議論すべきか、どのようにフォーラムを運営するかについて決定していきます。
テーマ別フォーラムの実施が可能となった場合、その具体的な実施段階として、地域の実行委員会や国際的な支援委員会を組織します。
メーリングリストでは私たちの闘いについての有益な情報を交換し、イベントや反原発運動のの現状を広く告知し、グローバルあるいは地域の行動を提起したり、核ロビーを挫くための既に進行中の行動や今後の行動提起などを支援し、原子力神話や原子力を受容するような動きを暴くことを目指します。これは、わたしたちの多様性を尊重し、わたしたちの間の連帯をより強いものとし、「グローバルな反核コミュニティ」を構築する相互コミュニケーションの手段ともなるでしょう。
今年はいくつかのグローバルな運動がアクティビストや市民社会の団体によって取り組まれます。(2015年11月、12月のパリCOP21など) こうした取り組みに関わるこのメーリングリストの参加者は、あらゆるこうした機会を捉えて私たち相互連携を強化する集会を計画する機会として利用したり、運動の経過やプログラムの進捗状況を確認したり行動を組織するチャンスにすることになるでしょう。
呼びかけ団体
被ばく労働を考えるネットワーク
福島原発事故緊急会議
ピープルズプラン研究所
ATTAC Japan(首都圏)
原発のないブラジル連合
メーリングリストへの参加希望者は下記にメールを送ってください。
ogr*nsknet.or.jp(*を@に変更して下さい)
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以上の「呼びかけ文」と相談会についての若干の補足の説明
原発と核兵器の両方を含む核問題は、日本国内に限れば、長い反対運動の歴史があり、多くの反核・反原発運動が草の根レベルから全国規模まで存在していますが、こうした運動の存在は、世界社会フォーラムを主要に担う第三世界の社会運動においてはむしろ稀だといってもいいと思います。
しかし、他方で、原発の第三世界への輸出圧力が急速にたかまっており、グローバルな「テロとの戦争」状態にあって、「核兵器」問題は一向に解決へと向う気配がないだけでなく、逆にこれまで以上に、人々の生存を脅かす深刻な不安全をもたらしかねないという現状があります。原発のないブラジル連合は、福島の事故後も原発推進の姿勢を変えない自国政府のエネルギー政策に強い危機感をもち、日本の反核・反原発運動の経験や福島の現状を是非世界の多くの運動と共有できるような場の設定が必要だとい
う切実な思いから、今回のような問題提起がなされました。
第三世界は、気候変動問題や石油資源問題などの国際的な要因を背景とした伝統的な開発・成長戦略が支配的であり、日本を含む先進諸国ばかりでなく中国など新興国もまた政府と業界が一体となって原発の輸出圧力を強めています。こうした中で、多くの地域では、チェルノブイリや福島の原発事故についてすら十分に知られていないだけでなく、原発の稼動が日常的に多くの被ばく労働をもたらし、放射性廃棄物の処理技術も未確立であることなどについても十分に知られてはいませんし、核兵器開発の技術的な前提条件にもなることなども重視されてはいません。農業が主要産業である諸地域にとって気候変動は深刻な問題として受けとめられていますが、原発がもたらす開発に伴う地域の破壊や環境汚染問題は相対的に軽視されているともいえます。とりわけ、世界社会フォーラムに関わってきた第三世界の多くの社会運動やNGOにとって「核」問題を主要な課題としている団体は多くはないのが現実です。
貧困、女性や少数民族の人権、パレスチナ問題や難民・移民問題、持続可能な社会といった世界社会フォーラムが主要にとりくんできた「もうひとつの世界」についての議論を核問題とつなげて、「核のないもうひとつの世界」へ向けた動きを創造することは、福島の事故にもかかわらず核エネルギーに固執し、広島・長崎を経験しながら「テロとの戦争」に加担しているこの国にいるわたしたちにとって、担うことが必要な課題の一つではないかと思います。(小倉利丸)
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