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2021年2月6日土曜日

報告:改訂版【チェルノブイリ法日本版】伊勢市条例(柳原案V.2)(その1:改訂箇所)(2021.2.6)

 2017年10月3日に、中間報告として、チェルノブイリ法日本版条例のモデル案(柳原)をアップしました(->こちら)。その後、この案の英語版を作成する中で、日本語自体の再検討、再確認をする結果となり、本日、その英語版(仮訳)の完成(->こちら)と同時に、日本語版の改訂作業も完成しました
とはいえ、
たちの願いである条例の内容を変更した訳ではなく、あくまでも、私たちの願いをより明確に、より正確に表現しようと改訂したものです。以下、その改訂部分について、改訂前と後の対比表です下線部分が改訂箇所
その下の表が、改訂部分について、改訂の理由を述べたものです。

引き続き、条例案の解説」も改訂の作業中です。

    ************************

「チェルノブイリ法日本版」伊勢市条例(柳原案V.2

前文

旧 

改訂箇所

伊勢市民は、全世界の市民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに健やかに生存する権利を有することを確認し、なにびとといえども、原子力発電所事故に代表される放射能災害から命と健康と生活が保障される権利をあることをここに宣言し、この条例を制定する。

 

他方、原子力発電所等の設置を認可した国は、放射能災害に対して無条件で加害責任を免れず、住民が放射能災害により受けた被害を補償する責任のみならず住民の「移住の権利」の実現を履行する責任を有すると確信する。

その結果、この条例の施行により伊勢市が出費する経費は本来国が負担すべきものであり、この点を明らかにするため、国は、すみやかに地方財政法10条17号、同法28号に準ずる法改正を行なう責務を有すると確信する。

 

 

 

 
その結果、この条例の実施により‥‥

 


加えて、放射能災害に対して無条件の加害責任を負う国は、事故が発生した原子力発電所等の収束に従事する作業員に対しても、放射能災害により被害を被った住民と同様、当該作業員が放射能災害により受けた被害を補償する責任のみならず当該作業員の命・健康を保全する責任を有すると確信する。

 

もっとも、今日の原子力発電所事故の巨大な破壊力を考えれば、この条例の制定だけで放射能災害から伊勢市民の命と健康と生活を保障することが不可能であることを認めざるを得ない。したがって、私たちは、三重県の自治体、さらには日本の全自治体に対して、各自治体の住民の名において、この条例と同様の条例を制定すること、さらにはこれらの条例の集大成として、日本国民の名において同様の日本国法律を制定することを呼びかける。

 

さらに、原子力発電所事故が国境なき過酷事故であることを考えれば、わが国の法律の制定だけで放射能災害から日本国民の命と健康と生活を完全に保障することが困難であることも認めざるを得ない。したがって、私たちは、この条例制定を日本のみならず、全世界の自治体、各国に対して、原子力発電所を有する世界の住民の命と健康と生活が保障する自治体の条例、法律の制定を呼びかける。

この呼びかけが放射能災害から全世界の市民の命と健康と生活を保障する条約を成立させるための基盤となることを確信する。

 

伊勢市民は市の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 


第1章 総則

旧 

改訂箇所

第1条 (条例の目的)

この条例は、原発事故その他の放射能災害の発生から伊勢市の市民及び事故収束作業員の命、健康及び暮らしを守ることを目的とする。

 

この条例は、原発事故その他の放射能災害の発生から伊勢市の住民及び事故収束作業員の命、健康及び暮らしを守ることを目的とする。

第2条 (定義)

この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は当該各号に定めるところによる。

①「放射能災害」とは、原子力発電所事故など、放射性物質が施設外に大量に放出される事故をいう。

②「事業者」とは、原子力発電所等を所有し、放射能災害を発生させた事業者をいう。

③「放射能汚染地域」とは、放射能災害で放出された放射性物質により汚染された地域のことをいい、その区分は第8条に定めるものとする。

④「汚染地域住民」とは、放射能汚染地域に住居を定め、居住する市民をいう。

⑤「事故収束作業員」とは、被ばくする場所で、放射能災害の収束に関わるあらゆる作業に従事する者をいい、その具体的な内容は第9条に定めるものとする。

⑥「放射能災害被災者」とは、放射能災害発生時に伊勢市の放射能汚染地域に住民票を有する汚染地域住民及び放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員をいう。

⑦「移住の権利」とは、放射能汚染地域の移住権利地域に居住する汚染地域住民に保障される、本条例で定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

 

 

 



⑧「避難の権利」とは、放射能災害発生直後の緊急避難に関して、放射能汚染地域の移住権利地域に居住する汚染地域住民に保障される、本条例で定める社会的支援を受ける権利をいう。

⑨「生存の権利」とは、放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員に保障される、本条例で定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

 

 

 

 

 


③「放射能汚染区域」とは、放射能災害で放出された放射性物質により汚染された区域のことをいい、その区分は第8条に定めるものとする。

④「汚染区域住民」とは、放射能汚染区域に住居を定め、居住する市民をいう。

 

 

⑥「放射能災害被災者」とは、放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、放射能汚染区域に住む住民及び放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員をいう。

⑦「移住の権利」とは、移住権利区域に居住する住民が有する第11条第2項に定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

「残留の権利」とは、移住権利区域に居住する住民が有する、第12条第1項に定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

「安全の権利」とは、放射能管理強化利区域に居住する住民が有する、第13条に定める社会的支援を受ける権利をいう。

⑩「避難の権利」とは、放射能災害発生直後の緊急避難(帰還を前提とする一時的な移転を意味する)に関して、移住権利区域に居住する住民が有する、第14条に定める社会的支援を受ける権利をいう。

⑪「生存の権利」とは、放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員が有する、第15条に定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

事故周辺区域とは、放射能災害発生の周辺区域で、事故発生後速やかに区域の範囲を規則で特定するものをいう。

第3条(基本理念)

伊勢市は原発事故被災者となった市民の移住の権利、避難の権利及び生存の権利を保障する。

 

放射能災害被災者となった伊勢市の市民は、移住の権利、残留の権利安全の権利、避難の権利および生存の権利を有する

第4条(救済の差別的取扱いの禁止)

法の下の平等を定めた憲法14条を踏まえ、放射能災害から住民の命と健康を救済するにあたっては、伊勢市民はひとしく扱われなければならない。

 

法の下の平等を定めた憲法14条を踏まえ、放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、伊勢市の市民はひとしく扱われなければならない。

第5条 (影響を受けやすい人への配慮)

放射能災害から伊勢市民の命と健康を救済するにあたっては、放射能による影響を受けやすい胎児、子どもの命・健康が守られることを配慮して行われなければならない。

 

放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、放射能による影響を受けやすい胎児、子どもの命・健康が守られることを配慮して行われなければならない。

第6条 (予防的取組方法)

1992年のリオデジャネイロ宣言を踏まえ、放射能災害から伊勢市民の命と健康を救済するにあたっては、完全な科学的証拠が欠如していることをもって対策を延期する理由とはせず、科学的知見の充実に努めながら対策を講じる方法(以下「予防的取組方法」という)にのっとり、適切におこなわれなければならない。

 

放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、1992年のリオデジャネイロ宣言を踏まえ、完全な科学的証拠が欠如していることをもって対策を延期する理由とはせず、科学的知見の充実に努めながら対策を講じる方法(予防的取組方法)にのっとり、適切におこなわれなければならない。

第7条 (すべての関係者の参加)

放射能災害が国難であることを踏まえ、放射能災害から伊勢市民の命と健康を救済するにあたっては、伊勢市に関わる、放射能災害に係るすべての関係者による積極的な参加のもとに行われなければならない。

 

放射能災害が国難であることを踏まえ、放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、放射能災害に係るすべての関係者による積極的な参加のもとに行われなければならない。

第8条 (放射能汚染地域の区分)

 放射能災害発生後いつの時点かを問わず、追加被ばく量(外部被ばくと内部被ばくの合計)の値または土壌汚染の3種類の値のいずれが以下に定める値を該当した放射能汚染地域を以下の定めに従い区分する。

第8条 (放射能汚染区域の区分)

 放射能災害発生後いつの時点かを問わず、追加被ばく量(外部被ばくと内部被ばくの合計)の値または土壌汚染の3種類の値のいずれが以下に定める値を該当した放射能汚染区域を以下の定めに従い区分する。


第9条 (事故収束作業員)

1 事故収束作業員とは強制避難区域において放射能災害の収束に関わるあらゆる作業に従事する者をいい、以下に定めに従い区分する。

①.区分1

事故収束作業員として従事した結果、健康被害が発生し、当該被害と収束作業との因果関係が確定した者。

②.区分2

従事の時期が次の場合に応じて、以下に定める作業日数を満たす者。

放射能災害発生後3ヶ月間までの間:作業日数を問わない。

放射能災害発生4ヶ月後から1年経過するまでの間:5日以上作業に携わった者。

放射能災害発生1年後から2年経過するまでの間:14日以上作業に携わった者。

③.区分

従事の時期が次の場合に応じて、以下に定める作業日数を満たす者。

放射能災害発生4ヶ月後から1年経過するまでの間:1~4日作業に携わった者。

放射能災害発生1年後から2年経過するまでの間:13日以下作業に携わった者。

放射能災害発生2年後から4年経過するまでの間:30日以上作業に携わった者。

2 放射能災害発生から○年経過するまでの間、住民設備建物の除染作業に14日以上携わった者は区分3の事故収束作業員とする。

 

1 事故収束作業員は次の各号のいずれかに該当する者をいう。

 

①.事故収束作業員として従事した結果、健康被害が発生し、当該被害と収束作業との因果関係が確定した者。

 

②.従事の時期が次の場合に応じて、事故周辺区域で以下に定める作業日数を満たす者。

 

 

 

 


.従事の時期が次の場合に応じて、事故周辺区域で以下に定める作業日数を満たす者。

 

 

 



2 放射能災害発生から一定年数が経過するまでの間、住民設備建物の除染作業に14日以上携わった者は第1項3号の事故収束作業員とする。一定年数の数は事故発生後速やかに規則で特定する。

 

第2章 放射能災害被災者の権利

旧 

改訂箇所

10条 (総論)

1 放射能災害発生時に伊勢市の移住権利地域に住民票を有する汚染地域住民は、汚染状況及び被ばくによる健康影響について国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、当該地域に住み続けるかそれとも移住(帰還を前提としない移転)するかを自ら決定する権利を有する。


2 移住を選択した汚染地域住民に対して、伊勢市は次条に定める移住に関する権利を保障する。

3 残留を選択した汚染地域住民に対しては、伊勢市は第12条に定める権利を保障する。

4 放射能災害発生時に伊勢市の放射能管理強化地域に住民票を有する汚染地域住民に対し、伊勢市は第12条2項に定める権利を保障する。

 

1 放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、移住権利区域に住む住民は、汚染状況及び被ばくによる健康影響について国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、当該区域に住み続けるかそれとも移住(帰還を前提としない移転)するかを自ら決定する権利を有する。

2 第1項の場合において、移住を選択した住民は、第11条に定める移住の権利を有する。


3 第1項の場合において、残留を選択した住民は、第12条に定める残留の権利を有する。

4 放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、放射能管理強化区域に住む住民は、第13条に定める安全の権利を有する。

11条 (移住を選択した場合の権利)

1 汚染地域住民が移住を選択するにあたっては、次の条件を満たすことが必要である。

①.移住について、未成年者を除き、世帯全員が同意すること。

②.移住先が第8条に定める区分1から3の「放射能汚染地域」でないこと。

2、移住を選択した汚染地域住民に対し、伊勢市は以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

①.引越し費用の支給

②.移住先での住宅確保・就労支援

③.移住元の不動産・家財・汚染した生産物(魚も含む)の損失補償

④.医療品の無料支給

⑤.健康診断・保養費用の7割支給

⑥.被災者手帳の交付

⑦.年金の優遇

3 前項の権利は特段の理由がない限り、1回の移住にしか適用されない。

11条 住民が移住を選択した場合の権利)

1 第10条の場合において、住民が移住を選択するにあたっては、次の条件を満たすことが必要である。

②.移住先が第8条に定める区分1から3の「放射能汚染区域」でないこと。

2、第10条の場合において、移住を選択した住民は以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。

 

 

12条 (残留を選択した場合の権利)

1 伊勢市は、残留を選択した汚染地域住民に対し、以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

①.治療の無料化

②.医療品の無料支給

③.健康診断・保養費用の7割支給

④.汚染した生産物(魚も含む)の損失補償その他の生活支援

⑤.被災者手帳の交付

⑥.「放射能食品管理課」等を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。

⑦.年金の優遇

 

2 放射能災害発生時に伊勢市の放射能管理強化地域に住民票を有する汚染地域住民に対し、伊勢市は以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

①.医療品の無料支給

②.健康診断・保養費用の5割支給

③.被災者手帳の交付

④.「放射能食品管理課」等を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。

⑤.年金の優遇

3 第1項の残留を選択した汚染地域住民がのちに移住を選択する場合には第11条が適用される。

12条 (住民が残留を選択した場合の権利)

1 第10条の場合において、残留を選択した住民は以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。

 

 

 

 

 

⑥.「放射能食品管理課」等必要な部署を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。

 

2項→第13条 (放射能管理強化区域に住む住民の権利)
放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、伊勢市の放射能管理強化区域に住む住民は、以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。





④.「放射能食品管理課」等必要な部署を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。



2 第1項の残留を選択した住民がのちに移住を選択する場合には第11条が適用される。

 

13条 (放射能災害発生直後の避難に関する権利)

1 伊勢市は放射能災害発生と同時に、予め編成した緊急事態対策課及び有識者による緊急事態判定委員会を直ちに始動させ、同委員会に速やかに本条に定める判定を行なわせるものとする。

2 放射能災害が発生し、国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、伊勢市の全域または一部において放射能汚染が第8条に定める移住権利地域に該当すると緊急事態判定委員会が判定した場合、避難(帰還を前提とする移転)を求める当該地域の住民に対し、伊勢市は必要なあらゆる措置を取るものとする。その詳細は規則で定める。

 

 

 

 


3 放射能災害が発生し、緊急事態判定委員会が伊勢市の全域または一部において安定ヨウ素剤の服用が必要であると判定した場合、伊勢市は直ちに、当該地域の住民及びペット(事前登録要)に安定ヨウ素剤を配布し、服用できるようにする。

4 本条に定める緊急事態判定委員会の判定に必要な最新かつ正確な汚染状況を把握するために、伊勢市は国に対し、SPEEDIなど緊急時の放射能影響予測ネットワークシステムの情報提供を求めると同時に、事前に構築した伊勢市独自の放射能測定装置による情報収集に努める。

14条 (放射能災害発生直後の住民の権利)

1 伊勢市は放射能災害発生と同時に、予め編成した緊急事態対策課及び有識者による緊急事態判定委員会を直ちに始動させ、同委員会に速やかに本条第2項に定める判定を行なわせるものとする。

2 第1項の場合において、緊急事態判定委員会が国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、伊勢市の全域または一部が第8条に定める移住権利区域に該当すると判定した場合、当該区域に住む住民は、以下に定めるほか避難に必要な措置を求める権利を有する。その詳細は規則で定める。

①.自身とペット(事前登録要)に安定ヨウ素剤の事前配布

②.緊急時の放射能影響予測ネットワークシステムの情報提供

③.バス等の移動手段の提供

④.防護用マスク、カッパなど防護装備の提供

⑤.避難先の住居・食料・衣類・薬の提供

3 (削除)

14条 (事故収束作業員の生存の権利

放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員に対し、伊勢市は以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

①.医療品の無料支給

②.健康診断・保養費用の減免

③.住環境の改善・支援

④.公共料金・公共交通機関の減額

⑤.有給休暇・解雇・異動時の優遇

⑥.被災者手帳の交付

⑦.年金の優遇

 

15条 (事故収束作業員の権利

放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員は、以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。

15条 (予算措置)

次の2案を併記する。

(第1案)

1 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費全額を求償することができる。

2 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費に充てるために法定外目的税を課税する。その詳細は別途条例で定める。


(第2案)

1 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者、設置許可した及び設置に同意した者に対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費全額を求償することができる。

2 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者、設置許可した者及び設置に同意した者に対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費に充てるために法定外目的税を課税する。その詳細は別途条例で定める。

16

 

(第1案)

1 この条例の実施により伊勢市が経費を出費した場合、伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、当該経費の求償権を有する。

2 伊勢市は、この条例の実施により伊勢市が出費する経費に充てるため、前項に定める原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、法定外目的税を課するものとする。その詳細は別途条例で定める。

(第2案)

1 この条例の実施により伊勢市が経費を出費した場合、伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者、設置許可した国及び設置に同意した者に対して、当該経費の求償権を有する。

2 伊勢市は、この条例の実施により伊勢市が出費する経費に充てるため、前項に定める原子力発電所等の設置者、設置許可した及び設置に同意した者に対して、法定外目的税を課するものとする。その詳細は別途条例で定める。

16条 (汚染状況の測定及び公表)

 伊勢市は、放射能災害が長期にわたるカタストロフィーであることにかんがみ、正確な汚染状況を把握するため常時、汚染の測定に努め、測定結果を直ちに市民に公表する。

 

17

17条 (委任)

この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

18

この条例に定めるもののほか、この条例の実施について必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成 年 月 日から施行する。

 


 ◆
改訂部分(青字で表示)の改訂理由

改訂の理由

前文 2段目 第2文

 

 

その結果、この条例の施行により伊勢市が出費する経費は本来国が負担すべきものであり、

その結果、この条例の実施により伊勢市が出費する経費は本来国が負担すべきものであり、

条例が「施行」され効力が発生したと同時に経費が発生する訳ではないので、「施行」→「実施」と正確な言い方に訂正(第16条(予算措置)の第1項の改定と同様)。

第2条 (定義)

 

 

③「放射能汚染地域」とは、放射能災害で放出された放射性物質により汚染された地域のことをいい、その区分は第8条に定めるものとする。

③「放射能汚染区域」とは、放射能災害で放出された放射性物質により汚染された区域のことをいい、その区分は第8条に定めるものとする。

用語(単語)の改訂。
地域でも間違いではないが、土砂災害特別警戒区域のように、範囲を区切ってその内側だけ特別な法的効果(家を建てるために都道府県知事の許可を得て、土砂災害を防止するための対策工事が必要)を及ぼす時には区域を使うので、また、区切られた一定範囲の場所、限定的な範囲であることを示す場合には区域を使うので、ここでもそうした。

⑥「放射能災害被災者」とは、放射能災害発生時に伊勢市の放射能汚染地域に住民票を有する汚染地域住民及び放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員をいう。

⑥「放射能災害被災者」とは、放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、放射能汚染区域に住む住民及び放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員をいう。

 

語のまとまり(句・節)の改訂

ここの住民の要件が①事故発生時に住民票を有すること、②汚染区域に住むことの2つであることを明確に表現しようとしたもの。

⑦「移住の権利」とは、放射能汚染地域の移住権利地域に居住する汚染地域住民に保障される、本条例で定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

 

⑦「移住の権利」とは、移住権利区域に居住する住民が有する第11条第2項に定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

 

1、人権に相応しい表現に改訂

「移住の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、語のまとまり(句・節)の改訂

放射能汚染区域のうちの「移住権利区域」と言わずに、ズバリ「移住権利区域」で足りること。
移住権利区域に住む「汚染区域住民」と言わずに、ズバリ、移住権利区域に住む「住民」で足りること。
3、この権利を定めた条文を明示。

 

⑧「残留の権利」とは、移住権利区域に居住する住民が有する、第12条第1項に定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

 

1、新規追加。

「移住の権利」と並んで、移住権利区域に居住する住民が有する「残留の権利」も定義しておくべき基本的な人権。

従って、その表現も人権に相応しい表現に。

2、この権利を定めた条文を明示。

 

「安全の権利」とは、放射能管理強化利区域に居住する住民が有する、第13条に定める社会的支援を受ける権利をいう。

1、新規追加。

「移住の権利」「残留の権利」と並んで、放射能管理強化利区域に居住する住民が有する「安全の権利」も定義しておくべき基本的な人権。

2、この権利を定めた条文を明示。

⑧「避難の権利」とは、放射能災害発生直後の緊急避難に関して、放射能汚染地域の移住権利地域に居住する汚染地域住民に保障される、本条例で定める社会的支援を受ける権利をいう。

 

⑩「避難の権利」とは、放射能災害発生直後の緊急避難(帰還を前提とする一時的な移転を意味する)に関して、移住権利区域に居住する住民が有する第14条に定める社会的支援を受ける権利をいう。

 

2条7号と同様。

1、人権に相応しい表現に改訂。
「避難の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、語のまとまり(句・節)の改訂。

3、この権利を定めた条文を明示。

⑨「生存の権利」とは、放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員に保障される、本条例で定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

⑪「生存の権利」とは、放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員が有する第15条に定める被ばくにより発生した損害賠償及び社会的支援を受ける権利をいう。

1、人権に相応しい表現に改訂(2条7号の1参照)。

「生存の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、この権利を定めた条文を明示。

 

事故周辺区域とは、放射能災害発生の周辺区域で、事故発生後速やかに区域の範囲を規則で特定するものをいう。

新規追加。

9条1項2号と3号に登場する用語。

第3条(基本理念)

 

 

伊勢市は原発事故被災者となった市民の移住の権利、避難の権利及び生存の権利を保障する

放射能災害被災者となった伊勢市の市民は、移住の権利、残留の権利安全の権利、避難の権利および生存の権利を有する。

1、用語(残留の権利、安全の権利)の追加。

2、人権に相応しい表現に改訂。
ここに掲げた移住の権利らの権利が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

第4条(救済の差別的取扱いの禁止)

 

 

法の下の平等を定めた憲法14条を踏まえ、放射能災害から住民の命と健康を救済するにあたっては、伊勢市民はひとしく扱われなければならない。

法の下の平等を定めた憲法14条を踏まえ、放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、伊勢市の市民はひとしく扱われなければならない。

用語(単語)の改訂。

平等という普遍的な理念を語る場面なので、その主体は「住民」ではなく、普遍的な人間という意味で「人々」がふさわしい。

第5条(影響を受けやすい人への配慮)

 

 

放射能災害から伊勢市民の命と健康を救済するにあたっては、放射能による影響を受けやすい胎児、子どもの命・健康が守られることを配慮して行われなければならない。

放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、放射能による影響を受けやすい胎児、子どもの命・健康が守られることを配慮して行われなければならない。

用語(単語)の改訂。

「放射能災害から命と健康を救済する」という普遍的な理念を語る場面なので、その主体は「住民」ではなく、普遍的な人間という意味で「人々」がふさわしい。

 

第6条 (予防的取組方法)

 

 

1992年のリオデジャネイロ宣言を踏まえ、放射能災害から伊勢市民の命と健康を救済するにあたっては、完全な科学的証拠が欠如していることをもって対策を延期する理由とはせず、科学的知見の充実に努めながら対策を講じる方法(以下「予防的取組方法」という)にのっとり、適切におこなわれなければならない。

放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、1992年のリオデジャネイロ宣言を踏まえ、完全な科学的証拠が欠如していることをもって対策を延

期する理由とはせず、科学的知見の充実に努めながら対策を講じる方法(予防的取組方法)にのっとり、適切におこなわれなければならない。

語のまとまり(句・節)の順番の変更

1、「放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、」を先頭に移動したほうが意味が明確になるので、順番を入れ替えた。

2.語のまとまり(句・節)の改訂。
「予防的取組方法」という用語はこれ以降に登場しないので、「以下‥‥という」は削除。他方、本条の見出しを「予防的取組方法」と表記しているので、この意味を明らかにするため、括弧として表記した。

第7条 (すべての関係者の参加)

 

 

放射能災害が国難であることを踏まえ、放射能災害から伊勢市民の命と健康を救済するにあたっては、伊勢市に関わる、放射能災害に係るすべての関係者による積極的な参加のもとに行われなければならない。

放射能災害が国難であることを踏まえ、放射能災害から人々の命と健康を救済するにあたっては、放射能災害に係るすべての関係者による積極的な参加のもとに行われなければならない。

用語(単語)の改訂。

5条と同様。

 

第8条 (放射能汚染地域の区分)

第8条 (放射能汚染区域の区分)

用語(単語)の改訂。2条3号と同様。

放射能災害発生後いつの時点かを問わず、追加被ばく量(外部被ばくと内部被ばくの合計)の値または土壌汚染の3種類の値のいずれが以下に定める値を該当した放射能汚染地域を以下の定めに従い区分する。

強制避難区域

移住権利地域

放射能管理強化地域

放射能災害発生後いつの時点かを問わず、追加被ばく量(外部被ばくと内部被ばくの合計)の値または土壌汚染の3種類の値のいずれが以下に定める値を該当した放射能汚染区域を以下の定めに従い区分する。

移住義務区域

移住権利区域

放射能管理強化区域

用語(単語)の改訂。

区分1:チェルノブイリ法の年5mSv以上のゾーンに対応する区分で、チェルノブイリ法では「移住義務ゾーン」と表記。

本文と区分2と3:2条3号と同様。

第9条 (事故収束作業員)

 

 

1 事故収束作業員とは強制避難区域において放射能災害の収束に関わるあらゆる作業に従事する者をいい、以下に定めに従い区分する。

①.区分1

事故収束作業員として従事した結果、健康被害が発生し、当該被害と収束作業との因果関係が確定した者。

②.区分2

従事の時期が次の場合に応じて、以下に定める作業日数を満たす者。

②.区分3

従事の時期が次の場合に応じて、以下に定める作業日数を満たす者。

1 事故収束作業員は次の各号のいずれかに該当する者をいう。

 

 

①.事故収束作業員として従事した結果、健康被害が発生し、当該被害と収束作業との因果関係が確定した者。

 

②.従事の時期が次の場合に応じて、事故周辺区域で以下に定める作業日数を満たす者。

.従事の時期が次の場合に応じて、事故周辺区域で以下に定める作業日数を満たす者。

語のまとまり(句・節)の改訂。

1、本文の下線部分のうち、

前半は2条5号で事故収束作業員は定義済みなので、削除。

後半は8条と同様の表現をしたが、8条は区分ごとの地区で法的効果が違うのに対し、本条では法的効果に違いはなく、単に事故収束作業員に該当するケースを列挙しているにすぎない。なので、そのことをズバリ表現。

2、1~3号
該当するケースを列挙しているだけで、区分ではないから、区分1~3は削除。

2 放射能災害発生から○年経過するまでの間、住民設備建物の除染作業に14日以上携わった者は区分3の事故収束作業員とする。

2 放射能災害発生から一定年数が経過するまでの間、住民設備建物の除染作業に14日以上携わった者は第1項3号の事故収束作業員とする。一定年数の数は事故発生後速やかに規則で特定する。

用語(単語)の改訂と文の追加。

事故が発生してみないとここの「○年」は決めれないが、法令では「○年」とは言わないため、「一定年数」とし、その数は、別途、事故発生後速やかに規則で定めるとした。


第2章

改訂の理由

10条 (総論)

 

 

1 放射能災害発生時に伊勢市の移住権利地域に住民票を有する汚染地域住民は、汚染状況及び被ばくによる健康影響について国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、当該地域に住み続けるかそれとも移住(帰還を前提としない移転)するかを自ら決定する権利を有する。

1 放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、移住権利区域に住む住民は、汚染状況及び被ばくによる健康影響について国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、当該区域に住み続けるかそれとも移住(帰還を前提としない移転)するかを自ら決定する権利を有する。

 

1、語のまとまり(句・節)の改訂。

2条6号と同様。
2、用語(単語)の改訂。
2条3号と同様。

2 移住を選択した汚染地域住民に対して伊勢市は次条に定める移住に関する権利を保障する。

 

2 第1項の場合において、移住を選択した住民は、第11条に定める移住の権利を有する。

1、人権に相応しい表現に改訂(2条7号と同様)。

「移住の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、冒頭に語のまとまり(句・節)の追加
2項は1項を受けた条項なので、そのことを明確に表現。
3、用語(単語)の改訂

「汚染地域住民」ではなく、シンプルに「住民」に。

3 残留を選択した汚染地域住民に対しては伊勢市は第12条に定める権利を保障する

 

3 第1項の場合において、残留を選択した住民は、第12条に定める残留の権利を有する。

1、人権に相応しい表現に改訂(2条8号と同様)。

「残留の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、冒頭に語のまとまり(句・節)の追加

3項は1項を受けた条項なので、そのことを明確に表現。

3、用語(単語)の改訂

「汚染地域住民」ではなく、シンプルに「住民」に。

4 放射能災害発生時に伊勢市の放射能管理強化地域に住民票を有する汚染地域住民に対し、伊勢市は第12条2項に定める権利を保障する

 

4 放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、放射能管理強化区域に住む住民は、第13条に定める権利を有する。

1、人権に相応しい表現に改訂(2条9号と同様)。

「安全の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、用語(単語)の改訂

「汚染地域住民」ではなく、シンプルに「住民」に。

3、条文の移動
12条2項に定めた内容が13条に移動したので表記を修正。

11条 (移住を選択した場合の権利)

11条 住民が移住を選択した場合の権利)

語のまとまり(句・節)の追加。
選択した主体が住民であることを明確にした。

 

1 汚染地域住民が移住を選択するにあたっては、次の条件を満たすことが必要である。

‥‥

②.移住先が第8条に定める区分1から3の「放射能汚染地域」でないこと。

1 第10条の場合において、住民が移住を選択するにあたっては、次の条件を満たすことが必要である。

‥‥
②.移住先が第8条に定める区分1から3の「放射能汚染区域」でないこと。

1、冒頭に語のまとまり(句・節)の追加

1項は10条(1項)を受けた条項なので、そのことを明確に表現。

2、用語(単語)の改訂。
2条3号と同様。

2、移住を選択した汚染地域住民に対し、伊勢市は以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

2、第10条の場合において、移住を選択した住民は以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。

1、人権に相応しい表現に改訂(2条7号と同様)。

「移住の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、冒頭に語のまとまり(句・節)の追加

2項も10条(1項)を受けた条項なので、そのことを明確に表現。

12条 (残留を選択した場合の権利)

12条 (住民が残留を選択した場合の権利)

語のまとまり(句・節)の追加。

11条の見出しと同様。

1 伊勢市は、残留を選択した汚染地域住民に対し、以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

‥‥
⑥.「放射能食品管理課」等を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。

 

1 第10条の場合において、残留を選択した住民は以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。

‥‥
⑥.「放射能食品管理課」等必要な部署を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。

1、人権に相応しい表現に改訂(2条8号と同様)。

「残留の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、冒頭に語のまとまり(句・節)の追加

1項は10条(1項)を受けた条項なので、そのことを明確に表現。

3、6号に、語のまとまり(句・節)の追加。

「放射能食品管理課」はあくまでも例示であって、これ以外にも6号の目的にとって必要な部署を設けることを明確にするため。

 

 放射能災害発生時に伊勢市の放射能管理強化地域に住民票を有する汚染地域住民に対し、伊勢市は以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

 

‥‥
④.「放射能食品管理課」等を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。

13条 (放射能管理強化区域に住む住民の権利)

放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有し、放射能管理強化区域に住む住民は、以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。

 

④.「放射能食品管理課」等必要な部署を設け、放射能による食物・水道水の汚染を検査し、無用な被ばくをさせない。

1、独立の条文とする
12
条2項は残留の権利を定めた12条1項とは別の権利なので、独立した条文(13条)として規定。

2、人権に相応しい表現に改訂(10条4項と同様)。

「安全の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

3、用語(単語)の改訂

「汚染地域住民」ではなく、シンプルに「住民」に。

4、4号に、語のまとまり(句・節)の追加。

1項6号と同様。

3 第1項の残留を選択した汚染地域住民がのちに移住を選択する場合には第11条が適用される。

 第1項の残留を選択した住民がのちに移住を選択する場合には第11条が適用される。

用語(単語)の改訂

「汚染地域住民」ではなく、シンプルに「住民」に。

13 (放射能災害発生直後の避難に関する権利)

14 (放射能災害発生直後の住民の権利)

語のまとまり(句・節)の追加・修正。

権利の主体が住民であることを明確にした。
11~13条の見出しと統一させるため。なおかつ「住民の避難の権利」では「『住民の避難』の権利」なのか「住民の『避難の権利』」」か判別できないので、「避難」を削除。

1 伊勢市は放射能災害発生と同時に、予め編成した緊急事態対策課及び有識者による緊急事態判定委員会を直ちに始動させ、同委員会に速やかに本条に定める判定を行なわせるものとする。

1 伊勢市は放射能災害発生と同時に、予め編成した緊急事態対策課及び有識者による緊急事態判定委員会を直ちに始動させ、同委員会に速やかに本条第2項に定める判定を行なわせるものとする。

 

用語(単語)の改訂

「本条」ではなく、より正確に「本条第2項」に。

2 放射能災害が発生し、国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、伊勢市の全域または一部において放射能汚染が第8条に定める移住権利地域に該当すると緊急事態判定委員会が判定した場合、避難(帰還を前提とする移転)を求める当該地域の住民に対し、伊勢市は必要なあらゆる措置を取るものとする。その詳細は規則で定める。

2 第1項の場合において、緊急事態判定委員会が国及び伊勢市から与えられた情報に基づいて、伊勢市の全域または一部が第8条に定める移住権利区域に該当すると判定した場合、当該区域に住む住民は、以下に定めるほか避難に必要な措置を求める権利を有する。その詳細は規則で定める。

①.自身とペット(事前登録要)に安定ヨウ素剤の事前配布

②.緊急時の放射能影響予測ネットワークシステムの情報提供

③.バス等の移動手段の提供

④.防護用マスク、カッパなど防護装備の提供

⑤.避難先の住居・食料・衣類・薬の提供

1、人権に相応しい表現に改訂(2条8号と同様)。

「避難の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

2、冒頭に語のまとまり(句・節)の追加

2項は1項を受けた条項なので、そのことを明確に表現。

3、全体につき、語のまとまり(句・節)の変更・追加。

(1)、主語「緊急事態判定委員会」を先頭に。

(2)、判定の決め手が「伊勢市が移住権利区域に該当するか否か」にあることを明確に表現。

(3)、「必要なあらゆる措置」という一般論はやめて、できる限り具体的な内容を列挙した。

3 放射能災害が発生し、緊急事態判定委員会が伊勢市の全域または一部において安定ヨウ素剤の服用が必要であると判定した場合、伊勢市は直ちに、当該地域の住民及びペット(事前登録要)に安定ヨウ素剤を配布し、服用できるようにする。

3 (削除)

安定ヨウ素剤の配布は前項1号に移動したため。

14 (事故収束作業員の生存の権利)

15条 (事故収束作業員の権利)

「生存」を削除
11~14条の見出しと統一させるため。なおかつ「事故収束作業員の生存の権利」では「『事故収束作業員の生存』の権利」なのか「事故収束作業員の『生存の権利』」か判別できないので、「生存」を削除。

放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員に対し、伊勢市は以下の権利を保障する。その詳細は規則で定める。

放射能災害発生時に伊勢市に住民票を有する事故収束作業員は、以下の権利を有する。その詳細は規則で定める。

1、人権に相応しい表現に改訂(2条11号と同様)。

「生存の権利」が条例により自治体から付与される権利ではなく、人が人として生来有する人権の1つであることを明確に表現する。

15 (予算措置)

16

 

(第1案)

1 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費全額を求償することができる

 

 

1 この条例の実施により伊勢市が経費を出費した場合、伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、当該経費の求償権を有する。

 

1、語のまとまり(句・節)の改訂

求償を定めた国家賠償法の表現を参考に改訂。

2、用語(単語)の改訂

(1)、「設置許可した者」は国なので、ズバリ「国」に変更。
(2)
、条例が「施行」され効力が発生したと同時に経費が発生する訳ではないので、「施行」→「実施」と正確な言い方に訂正。

2 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費に充てるために法定外目的税を課税する。その詳細は別途条例で定める。

2 伊勢市は、この条例の実施により伊勢市が出費する経費に充てるため、前項に定める原子力発電所等の設置者及び設置許可したに対して、法定外目的税を課するものとする。その詳細は別途条例で定める。

1、語のまとまり(句・節)の改訂

地方税法に定められた法定外目的税の表現を参考に改訂。

2、用語(単語)の改訂

 第1案1項と同様。

(第2案)

1 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者、設置許可した者及び設置に同意した者に対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費全額を求償することができる。

 

1 この条例の実施により伊勢市が経費を出費した場合、伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者、設置許可した及び設置に同意した者に対して、当該経費の求償権を有する。

 

1、語のまとまり(句・節)の改訂

 第1案1項と同様。

2、用語(単語)の改訂

 第1案1項と同様。

2 伊勢市は、放射能災害発生の原因となった原子力発電所等の設置者、設置許可した者及び設置に同意した者に対して、この条例の施行により伊勢市が出費する経費に充てるために法定外目的税を課税する。その詳細は別途条例で定める。

2 伊勢市は、この条例の実施により伊勢市が出費する経費に充てるため、前項に定める原子力発電所等の設置者、設置許可した及び設置に同意した者に対して、法定外目的税を課するものとする。その詳細は別途条例で定める。

1、語のまとまり(句・節)の改訂

 第1案2項と同様、地方税法の表現を参考に改訂

2、用語(単語)の改訂

 第1案2項と同様。

17 (委任)

18

 

この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

 

この条例に定めるもののほか、この条例の実施について必要な事項は、規則で定める。

語のまとまり(句・節)の追加。
既に11~14条などで「詳細は規則で定める」と規定しているので、正確性を期して、冒頭に「この条例に定めるもののほか」を追加。

 

 

 

 

 

 

 

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