後半は、Ourplanetの白石草さんの「子どもの甲状腺がんと「県民健康調査」」--小児甲状腺がん200人のかげで何が起きているのか--でした。
前半
後半
以下、その動画とプレゼン資料&配布資料です。
◆動画
前半 柳原敏夫の話
後半 白石草さんの話
その1
その2
質疑応答
◆プレゼン資料(全文のPDFは->こちら)
◆ 配布資料(PDFは->こちら)
NOでは足りない―3.11ショックに対処する方法:もう1つの「あべこべ」は可能だ―
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レジメ
NOでは足りない―3.11ショックに対処する方法:もう1つの「あべこべ」は可能だ―
1、自己紹介
自然界(人間と自然の関係)に惹かれてきた
自然界(人間と自然の関係)に惹かれてきた
→「ファーブル昆虫記」「シートン動物記」「大草原の小さな家」「ターシャ・チューダ-」
「人間と人間の関係」から目を背けては生きていけないことを思い知らされるようになる。
→「ケーテ・コルヴィッツ」「住井すゑ」「ハンナ・アーレント」「カズオ・イシグロ」
「人間と人間の関係」から目を背けては生きていけないことを思い知らされるようになる。
→「ケーテ・コルヴィッツ」「住井すゑ」「ハンナ・アーレント」「カズオ・イシグロ」
2、原発事故がもたらした最大の謎
原発事故とは何か?何だったのか?何をもたらしたのか?
3、この謎に最も迫った人のひとり
「スベトラーナ・アレクシエービッチ」
‥‥小さき人々の声を残した。
◎人々はチェルノブイリのことは誰もが忘れたがっています。最初は、チェルノブイリに勝つことができると思われていた。ところが、それが無意味な試みだと分かると、今度は口を閉ざしてしまったのです。自分たちが知らないもの、人類が知らないものから身を守ることは難しい。チェルノブイリは、私たちを、それまでの時代から別の時代へ連れていってしまったのです。その結果、私たちの目の前にあるのは、誰にとっても新しい現実です。‥‥ベラルーシの歴史は苦悩の歴史です。苦悩は私たちの避難場所です。信仰です。私たちは苦悩の催眠術にかかっている。‥‥何度もこんな気がしました。これは未来のことを書き記している
◎原発事故はこれまでの災害の概念が通用しない。過去に経験したことのない経験をしたのだという新しい意識が必要で、その新しい意識で原発事故と向き合わなければならない。
◎チェルノブイリ事故で、人々は死がそこにあることを感じました。目に見えない、音も聞こえない、新しい顔をした死を。私は思いました、これは戦争だ。未来の戦争はこんなふうに始まる。でもこれは前代未聞の新しい戦争だ、と。
4、戦争の問題に最も迫った人のひとり
「大岡昇平」
「大岡昇平」
◎ひとりひとりの兵士から見ると、戦争がどんなものであるか、分からない。単に、お前はあっちに行け、あの山を取れとしか言われないから。だから、自分がどういうことになって、戦わされているのか分からない。(「レイテ戦記」のインタビュー)
↑
「3.11のあと、ひとりひとりの市民から見ると、福島原発事故がどのようなものであるか、どうしたらよいのか、真実は分からない。単に、「健康に直ちに影響はない」「国の定めた基準値以下だから心配ない」とかしか言われないのだから。だから、一体自分がどういう危険な状態にあるのか、どう対策を取ったらよいのか、本当のことは分からない」。
5、放射能災害とは何か(放射線とは何か)
一般市民に対する被ばく限度とされる年間1ミリシーベルトとは何か?
→「毎秒1万本の放射線が体を被ばくさせる状態が1年間続くこと」(矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授)
一般市民に対する被ばく限度とされる年間1ミリシーベルトとは何か?
→「毎秒1万本の放射線が体を被ばくさせる状態が1年間続くこと」(矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授)
1本の放射線が身体を損傷する数はどれくらい?
→アルファ線はおよそ10万個。ベータ線は最大2万5000個。
ガンマ線では光電効果の場合、最大で7500個、コンプトン効果の場合、およそ2万5000個。
6、放射能災害とは何か(健康被害とは何か)
福島県は、甲状腺検査の二次検査で「経過観察」とされた子ども(2018年6月末で4643人)は、その後「悪性ないし悪性疑い」が発見されても、その症例数を公表しない。
先月9月末、南相馬市の市立総合病院の疾病データが公開。
7、福島原発に対し政府のやってきたこと
三大政策「情報を隠すこと」「事故を小さく見せること」「様々な基準値を上げること」
8、311以後の出来事の特徴:「あべこべ」
子どもの命・人権を守るはずの者が「日本最大の児童虐待」「日本史上最悪のいじめ」の当事者に。
加害者が救済者のつらをして、命の「復興」は言わず、経済の「復興」に奔走。
被害者は「助けてくれ」という声すらあげられず、経済「復興」の妨害者として迫害。
9、311以後の「あべこべ」をただし、正常化に向かう道
過去の災害の経験や考えが通用しない原発事故の本質を理解するための「認識の目覚め」に努め、「苦悩という避難場所」から抜け出し、「現実の避難場所」を作り出す必要がある。
過去の災害の経験や考えが通用しない原発事故の本質を理解するための「認識の目覚め」に努め、「苦悩という避難場所」から抜け出し、「現実の避難場所」を作り出す必要がある。
「新しい形式の戦争」にふさわしく、「新しい内容と形式を備えた救済」が必要。
→それが、放射能に対する健康被害を「予防原則」に立って救済を定めたチェルノブイリ法日本版。
10、チェルノブイリ法日本版に至るプロセス(問題解決のための現実的ビジョン)のキーワード
→それが「市民立法」。過去に輝かしい成功例がある。
◎政府がいやがる法律を、日本各地の市民の手で条例制定の積み上げの中から制定させた公害防止立法(1970年)、情報公開法制定運動(1999年)。
◎大国がいやがる条約を、市民の手で実現させた対人地雷禁止条約(1997年)、核兵器禁止条約(2017年)
その一例が以下の歴史。
1872年 江藤新平らが、民が官を裁く先進的な行政訴訟を作る。
1954年、杉並の主婦から始まった水爆禁止署名運動
1964年、三島・沼津の「石油コンビナート反対」の市民運動
1969年、歴史的な公害国会を引き出した東京都公害防止条例制定の市民運動
1995年、霞ヶ浦再生を、市民型公共事業として取り組んだアサザ・プロジェクト
1997年、市民主導で成立した最初の条約、対人地雷禁止条約の成立。
1999年、市民主導で、本各地の条例制定の積み上げの中から制定を実現した情報公開法
2017年、市民主導で成立した2番目の条約、核兵器禁止条約の成立。
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