来年早々、関西の法廷で、低線量被ばくによる健康被害の影響に関する原告住民と国側の決戦の証人尋問をやります。
そのために、今までずっと敬して遠ざけてきた疫学・統計解析の問題と向き合わなければならないと腹を括り、その勉強をしています。
その中で、ビックリするような文献に出会いました。
「水俣病誌」
に収められた
「認定はどうあるべきか--水俣病の疫学と病像--」
です。
どんな専門家が書いているのだろうかと思ったら、あの毀誉褒貶激しい川本輝夫さんだったからです。
そしたら、その本の付録に石牟礼道子さんの
「テルオさんのこと」
に、川本さんが六法全書を手放さず、読み込んでいた話が紹介されていて、二度、ビックリ。
今まで、水俣のことは訴訟派、関西訴訟派、自主交渉派、交渉一任派・・・いろんなグループが入り乱れていて、なかなかその全体像がつかめなかったのですが、
今回、医師の原田正純さんを手がかりに読んでみて、ようやく、水俣病の全体像が自分なりに掴めた気がしました。
そしたら、水俣の50年は311以後の福島の5年間に凝縮されていると分かりました。
日本政府は、チェルノブイリ事故から学んだだけではなく、もっと前から、この50年間の水俣病からもしっかり学んで、それを福島に応用して、住民を徹底的に押さえ込んでいることが分かりました。
その一端は原田正純さんの「水俣への回帰」の冒頭の数ページでも明らかです。
ここには、低線量被ばくと対応する低濃度汚染の問題も取り上げられています。なお、先日、入手した低濃度汚染の問題を取り上げた資料は以下です。
「新たにわかってきた水俣病のはなし」
・・・実は、以上のことは、すでに4年前、マコ・ケンさんが、疎開裁判のMLで紹介していたことでした。
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Subject: [3arrow:11028] 水俣病裁判の国側の主張や、水俣で闘っておられる方々から福島の方々への伝言。
From: おしどりマコ
To: 3arrow@freeml.com
Date: Sat, 1 Dec 2012 11:29:38 +0900 (JST)
自分の記事の紹介ですが、
水俣病の裁判関連と、
あと、水俣病で闘っておられる方々から、福島の方々への伝言を預かってきましたので、
よろしければご覧ください。
おしどりマコ拝
マガジン9・脱ってみる?第53回
『「人様は変えられないから自分が変わる』水俣病資料館の言葉を噛みしめる件。」
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もっと力があったら、あの当時もっと早く、マコさんの指摘で目覚めることができたのですが・・・
今から、頑張ります。
ちなみに、今回、原田さんの書いたものを読み、
水俣を代表する医師である原田さんを作ったのは被害者の人たちであり、とりわけ川本輝夫さんだったことを知りました。
川本輝夫さんが「水俣の鬼」として非暴力直接行動に出て、水俣病を全国に知らしめ、自主交渉で突破口を切り開いた背景には、深い人間愛と飽く事のない探究心があったことを知りました。
チッソ社長と交渉する川本輝夫
現在の私の大きな課題は水俣の教訓の学び、「福島の鬼」の出現、そしてその支援です。
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