「福島の真実」を語ることを抑圧するような社会にしてはならないという思いから、21日、参議院議員会館で、福島の人たちが311以来、どのような健康の異変に襲われ、不安の中にいたか、ありのままに証言してもらう緊急記者会見を開きました(当日の動画。->OurPlanet ユープラン)。
以下は記者会見の閉会の言葉です。
今回の「美味しんぼ」騒動は、私たちの抗議文にも表明したとおり、
風評被害という名の下に、「福島の真実」を語る表現の自由に対する重大な抑圧であると同時に、
「福島の真実」を渇望する市民の「知る権利」を奪う民主主義の根本を揺るがす由々しき問題であるばかりか、
この言論抑圧により、今日のお母さんたちの鼻血発言のように、苦しみの中で救済を求めている福島の多くの人々の体験した「真実、そして真実と信ずる見解を表明する自由」が奪われるということであり、
その結果、何よりも、社会の最も弱い立場にいる福島の子どもたちがもの言えぬまま「命と健康」という最も尊い人権が踏みにじられるという問題です。
表現の自由は、学者先生が神棚に飾るお守りではなく、福島の人々にとっては生きるか死ぬかの問題です。
言いたいことが言えなくなったら生きる希望を奪われるからでです。昨年4月、ふくしま集団疎開裁判の仙台高裁の判決で
低線量被ばくにより子どもたちの生命・健康に由々しい事態の進行が懸念される
と認められましたが、そのことすら口にすることができなくなるからです。
希望を取り戻すために、私たちはまもなく再び、子どもたちを安全な場所で教育せよを求める「ふくしま集団疎開裁判」を起こします。
ひとりでも多くの人たちが、この裁判につながって下さい。
そして、私たち市民の力で、言うべきことが自由に言える社会に、子どもたちを救い出す社会に作り変えていきましょう。
今日はありがとうございました。 (弁護団 柳原敏夫)